この夏の10枚【後編】

Kanye West『Graduation』

ダフトパンクの大ネタ使い「STRONGER」やスティーリー・ダンネタの「CHAMPION」など、どちらかといえば白いサンプリングが多くシンセも多用しているなぁという印象。しかし前作までの作風を踏襲した「The Glory」(この曲は当初コモンのアルバムに提供する予定だったとか)みたいなのもあって、とにかく幅広く受け入れられそう。とはいえリズム、というか低音はファットでカーステで聞いたら、iPodとの違いに愕然! PVの完成度も高いな。

Kanye West - STRONGER

「ガソバレ」と。ダフトパンクも出てる。

Kanye West ft.T-Pain - The Good Life

すげえ映像。

日本盤の最後の曲「bittersweet poetry」が最高だなぁ。と思ってたら、前作『Late Registration』に収録されなかったトラックらしい。個人的には前作のノリが好みだったのか、とアルバムの最後であらためて思う。


V.A.『TASTE OF HONEY MIX』

もし、博多ラーメンの麺の固さは「粉おとし」が最も固いとされているが、その対極は「ずんだれ」というらしい。地域によって違うんだろうけど。そんなずんだれたレゲエを中心にトロけさせてくれる極上ラヴァーズMIXだ。R&Bのカバーでゆるくポップに流れていく。途中にはこんな曲も入ってたりしてニヤリ(この曲ね↓)。

たぶん一生聞き続けることができるMIXCDだと思う。


Bob Marley&The Wailers『Roots Rock Remixes』

最近の12inchは買い始めるとまったく際限がなくなってしまうため、自分の中に導入しているルールがある。それは「レゲエというフィルターを通す」こと。そんなに多くはないが、自分でDJやるときにレゲエを軸とすることが多いから。これはBob Marleyの音源を使った正規リリースで人選もナイス。AFRODISIAC SOUND SYSTEMの原曲活かしつつリズム跳ねまくりのアフロハウスといい、JIMPSTERのテックハウスといい、どちらもいい出来だ。Bob Marleyのブートものはさんざん手を出して、音質悪いのとか適当な作りでゲンナリすることも多かったけど、これはバッチリ。


Kid Creole&The Coconuts『Off The Coast Of Me』

かの米米CLUBが憧れて最終的にはお互いの曲をカバーしてアルバムまで作ってしまったというキッド・クレオール&ザ・ココナッツ。トロピカルテイスト満載の頃のアルバムがこれ。1980年の作品だけど今年の夏、最も聞いたアルバムかもしれない。ISLANDから出た1枚目のアルバムでラテンとディスコがいい湯加減で混ざってる。これ以降は徐々にディスコ色、ファンク色を強めていくけど、このアルバムはそのサジ加減が絶妙だ。

このライブはだいぶファンクよりだけどもね。当時のライブがムチャクチャかっこよくて、そりゃ憧れるのも分かるというぐらいの凄いステージ。ギミックの裏にはしっかりした素養がある、というのがいい。このビデオは途中からコーティ・ムンディの独壇場。

男のあるべき姿がここにある。

この夏の10枚【中編】

BLAST HEAD『OUTDOOR』

大自然と電子音のハーモニーが気持ちよすぎる。アウトドア+ダンス=野外レイブをイメージしたような音なのかなと思って聞いたら、自分の想像力の欠乏を呪う結果に。途中から自分が聞いてるのが人工的な電子音なんだか自然の音なんだか分からなくなるような、音の粒子を浴びてるような感触。


JOSEPH NOTHING『Shambhala Number One』

折り重なるようなメロディと音色のマッチング、そしてときにドリーミングでときに激烈な世界観で構築されたアルバム。とても耳に優しい。チベット密教の異形の楽園がテーマらしいが、不勉強にしてそっちの世界のことはまったく分からない。でも、全然とっつきにくそうな打ち出しよりも、このアルバムに入ってる曲を使った(本人が撮ってきたという廃墟!)この映像のほうが世界観は伝わる。


Moebius&Plank『Rastakraut Pasta』

ジャーマンロックの大御所がレゲエのベースとエフェクト、リズムをいろんな解釈で料理した1980年のアルバム。ルーツレゲエというよりは、当時のニューウェイブなレゲエ解釈なんだろうね。もともと世界観はしっかりある人たちだから、調味料としてのレゲエというか。むしろいまの解釈だとアンビエントの領域だ。このタイトル、直訳すると「マリファナ・パスタ」ということらしい。イメージ通りの伸びきったパスタのような茹で上がり具合で、蒸し暑く寝苦しい夜にはジャストフィット。

この夏の10枚【前編】

YOUR SONG IS GOOD『HOT! HOT! HOT! HOT! HOT! HOT!』

今年の夏はこれとともに明けた。ヤングでロックでトロピカルなステキなアルバム。肩の力が抜けきったおっさんたちの余裕とスキルがなんとも心地よい。
「あいつによろしく」

「ブガルー超特急」

DUB PISTOLS『SPEAKERS AND TWEETERS』

ビッグビート時代から活躍しているUKのユニットなんだけど、最近流行のダブステップには行かず、むしろUKスカの元祖であるスペシャルズに先祖帰りして、おまけにスペシャルズのボーカルであるテリー・ホールまで召還。ダブステップとかグライムなど最先端のダブにイマイチ乗り切れない心を見透かされてしまったかのような程よい退行感。べつに時代の先っぽばかり追いかけなくても、いいものはいい。ロドニーP参加でダブというよりもヒップホップ寄りかも。ちょうど気持ちよく聞けるポイントを絶妙に突いている。ブロンディのカバーもやってて、これもテリー・ホールが気だるく唄う。シングルではPRINS THOMASがremixしてて、これまた素晴らしい。
「GANGSTER」

RAPTURE

「PROBLEM IS ...」

黒スーツにサングラスにハット、そして拡声器。ブルース・ブラザーズの美学。

COMMON『FINDING FOREVER』

前作『Be』の延長線上にある温かいこのアルバム、コンセプトは「命は限りあるけど、音楽は永遠である」。「永遠を探して」というタイトルソウルミュージックに根ざした実直な音作り。NEWアルバムを控えたカニエ・ウエストのサウンドプロダクションも冴えまくり。
「The PEOPLE」

「THE GAME」

ともにカニエプロデュース曲。

バスのケツ


自転車で明治通りを走っていたらバスの後ろにハマった。バスの横はすり抜けるのが難しい。しかし、渋滞で車が密集しているので、なかなか抜け出せない。少しイライラする。が、ふと前を見ると目の前にはかわいいブタのイラスト。じつに仲が良さそうな一家だ。親子で料理なんかしちゃうのかな?いや、右のはおじいちゃんかな? 孫かわいがってんのかな? お饅頭でも作ったのかな? とかいろいろ考える。ちょっとなごむ。


しかし……。



なんか悲しい。

実録コーヒー・アンド・シガレッツ


昨夜は友人たちと珈琲を飲みながら、タバコを吸って代々木駅前の喫茶店で深夜のダラダラ感を味わいながらトーク。タバコと珈琲の相性は、きっと魔法のようなものなんだろう。仕事のあとのこんな時間の使い方がたまらなく贅沢であり、とても大事に思える。

珈琲豆


ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロの『ランド・オブ・ザ・デッド』をレンタルで見た。いつもゾンビを現代社会を描くための象徴として扱うこの監督、今回ゾンビは金と軍事力で街を支配する権力者に対抗する革命勢力として描かれており、ブッシュ政権イラク政策をイメージしていると本人も語っているらしい。そんな思想を背景に映画はあくまでもエンターテインメントに徹していて、乱れ飛ぶ血液、欠損するゾンビ、かっこいいアーシア・アージェント、うなる重火器がたたみかけるように襲い掛かってくる凄い作品だった。

充実した気分で特典映像のメイキングを観ていたらケータリングのスタッフが「監督は三食ともコーヒーとタバコさ」なんて言ってる。映像の中でもずっとコーヒーをすすって、タバコをうまそうにふかしていた。いいお爺ちゃんだけどまだまだ現役、そんなバリバリ感の漂わせている。

で、そんな映像を観ながら、友達が京都のお土産で買ってきてくれたsmart coffeeを飲む。京都では有名なところらしい。ストレートな苦味がいい。すごくいい。しかも、すっきりした後味でさすが京都。上品な味わいだ。いつも飲んでいるコーヒーと比べても透き通るような黒さで見た目も上品。これはクセになりそう!

いつもは、やなか珈琲店の小室スペシャルという豆を愛用している。小室博昭というコーヒー鑑定士がブラジルで作ったらしい。

コーヒー鑑定士
小室博昭

1960年にブラジルへ渡り、日本人初のブラジル政府公認コーヒー鑑定士となり、その後日系人による南米最大の組合コチア産業組合でコーヒー鑑定士として従事。 1972年にはブラジル国内での「最高鑑定士」の栄誉をうける。その後、日系大農園主と複数の精選業者を母体とする輸出会社コロラド社において、「自分の生まれ故郷に良質なコーヒーを輸出して日本の皆さんに飲んで頂く。」という社訓のもと、まだ日本ではブラジルコーヒーがほとんど知られていない時代に、大手輸入商社、焙煎業者などに精力的に働きかけ、欧米に比べ遅れていた日本のコーヒー業界の発展と、ブラジルコーヒーの普及に生涯尽力した、日伯両国における最高のコーヒー鑑定士。

苦味が強くて口の中にモワッと広がる後味もいい。ちなみに、こんな凄い経歴の持ち主である小室さんが1977年に書いた本が「コーヒー味覚管理の実際」というらしいんだけど、それをすげえ読んでみたい。ネットでは絶版ばかりで買えないんだなぁ。

で、この豆を切らしてしまって、どうするかとなったときにたまたま渋谷駅前で買ったのがスタバの「フレンチロースト」。その名のとおり深炒りでスモーキーだけど、豆自体は南米産らしい。ただ、なんか後味がちょっと粗い感じがする。自分の中では代用品どまりな印象。

傾向と対策


4月入学のデザイン系専門学校生のような勢いでカメラを持ち歩いちゃ、目についたものを撮ってます。カリフォルニアで(素材用の)風景写真を撮りまくったのが引き金になったのかなという気もします。何が楽しくてやってんだか自分でもよく分からない。「まあ、撮っとこうか」みたいなノリなんだけど、気がついたら夜の街灯が多いな。暗い! 人物を撮ろう。ただ、凝りだすと自転車と一緒で高いカメラとか欲しくなっちゃうんだろうね。

撮った写真はここにUPしてます。

これからも気の向くままに撮りっぱなす! 写真といえば、この映画大好きだったなぁ。鬼のように怖いクリスティーナ・リッチのふくれっ面が最高だ。