珈琲豆


ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロの『ランド・オブ・ザ・デッド』をレンタルで見た。いつもゾンビを現代社会を描くための象徴として扱うこの監督、今回ゾンビは金と軍事力で街を支配する権力者に対抗する革命勢力として描かれており、ブッシュ政権イラク政策をイメージしていると本人も語っているらしい。そんな思想を背景に映画はあくまでもエンターテインメントに徹していて、乱れ飛ぶ血液、欠損するゾンビ、かっこいいアーシア・アージェント、うなる重火器がたたみかけるように襲い掛かってくる凄い作品だった。

充実した気分で特典映像のメイキングを観ていたらケータリングのスタッフが「監督は三食ともコーヒーとタバコさ」なんて言ってる。映像の中でもずっとコーヒーをすすって、タバコをうまそうにふかしていた。いいお爺ちゃんだけどまだまだ現役、そんなバリバリ感の漂わせている。

で、そんな映像を観ながら、友達が京都のお土産で買ってきてくれたsmart coffeeを飲む。京都では有名なところらしい。ストレートな苦味がいい。すごくいい。しかも、すっきりした後味でさすが京都。上品な味わいだ。いつも飲んでいるコーヒーと比べても透き通るような黒さで見た目も上品。これはクセになりそう!

いつもは、やなか珈琲店の小室スペシャルという豆を愛用している。小室博昭というコーヒー鑑定士がブラジルで作ったらしい。

コーヒー鑑定士
小室博昭

1960年にブラジルへ渡り、日本人初のブラジル政府公認コーヒー鑑定士となり、その後日系人による南米最大の組合コチア産業組合でコーヒー鑑定士として従事。 1972年にはブラジル国内での「最高鑑定士」の栄誉をうける。その後、日系大農園主と複数の精選業者を母体とする輸出会社コロラド社において、「自分の生まれ故郷に良質なコーヒーを輸出して日本の皆さんに飲んで頂く。」という社訓のもと、まだ日本ではブラジルコーヒーがほとんど知られていない時代に、大手輸入商社、焙煎業者などに精力的に働きかけ、欧米に比べ遅れていた日本のコーヒー業界の発展と、ブラジルコーヒーの普及に生涯尽力した、日伯両国における最高のコーヒー鑑定士。

苦味が強くて口の中にモワッと広がる後味もいい。ちなみに、こんな凄い経歴の持ち主である小室さんが1977年に書いた本が「コーヒー味覚管理の実際」というらしいんだけど、それをすげえ読んでみたい。ネットでは絶版ばかりで買えないんだなぁ。

で、この豆を切らしてしまって、どうするかとなったときにたまたま渋谷駅前で買ったのがスタバの「フレンチロースト」。その名のとおり深炒りでスモーキーだけど、豆自体は南米産らしい。ただ、なんか後味がちょっと粗い感じがする。自分の中では代用品どまりな印象。