この夏の10枚【中編】

BLAST HEAD『OUTDOOR』

大自然と電子音のハーモニーが気持ちよすぎる。アウトドア+ダンス=野外レイブをイメージしたような音なのかなと思って聞いたら、自分の想像力の欠乏を呪う結果に。途中から自分が聞いてるのが人工的な電子音なんだか自然の音なんだか分からなくなるような、音の粒子を浴びてるような感触。


JOSEPH NOTHING『Shambhala Number One』

折り重なるようなメロディと音色のマッチング、そしてときにドリーミングでときに激烈な世界観で構築されたアルバム。とても耳に優しい。チベット密教の異形の楽園がテーマらしいが、不勉強にしてそっちの世界のことはまったく分からない。でも、全然とっつきにくそうな打ち出しよりも、このアルバムに入ってる曲を使った(本人が撮ってきたという廃墟!)この映像のほうが世界観は伝わる。


Moebius&Plank『Rastakraut Pasta』

ジャーマンロックの大御所がレゲエのベースとエフェクト、リズムをいろんな解釈で料理した1980年のアルバム。ルーツレゲエというよりは、当時のニューウェイブなレゲエ解釈なんだろうね。もともと世界観はしっかりある人たちだから、調味料としてのレゲエというか。むしろいまの解釈だとアンビエントの領域だ。このタイトル、直訳すると「マリファナ・パスタ」ということらしい。イメージ通りの伸びきったパスタのような茹で上がり具合で、蒸し暑く寝苦しい夜にはジャストフィット。