オーロラ

Aurora - Feast

井上薫ポート・オブ・ノーツのDSKのユニット「AURORA」。このライブアルバムはギター2本とタブラと、あとは風と拍手の音ぐらい。とてもシンプル。黙々と深夜作業するときにはイヤホンで聞くといい。ぐっと集中が高まる感覚を得る。ダラ聞きとも違うし、BGM的な聞き方でもないが耳を取られることもなくすーっと入ってくる。押し付けがましいダンスミュージックの対極にあるような、さりげない美しさが際立っている。

chari chari - in time

chari chari - in time(ultimate collection)

2002年に発売された上のアルバムを聴くまで、しばらくダンスミュージックからは遠ざかっていた気がする。似たような音の焼き直しばかり(実際はそんなことなかったけど)な押し付けがましいダンスミュージックに飽きて、60〜70年代の音楽ばかり聴いていた時期だ。このアルバムはブラジル音楽とかオーケストラとかいろんな生音を使って紡ぎ出された最高に贅沢なダンスミュージックだ。生音をざっくり使うのではなく、素晴らしく編集された調和の産物だった。このアルバムの中で一番大好きな曲「Aurora」はループして何度も聴いた。
chari chari - Aurora(edit)

これがなければリキッドルームに通うこともなかっただろうし、いろんな素晴らしい音楽に出会うこともなかっただろう。心の扉を開いてくれた、自分にとっては凄く大事なアルバムだ。その『in time』がリミックスとDVDと本人の解説がついて、つい最近再発されたので購入。DVDはこの5年前のアルバムがいかにして作られたのかを振り返るドキュメンタリーで「Aurora」がメタモルフォーゼの朝方に受けた影響から産まれたことを知り、さらに感慨を深める。もう何度もメタモルに通ってるが、毎年あの朝方の空気が吸いたくて行ってるようなものだ。

そして、クラブで何度か聴いた「Aurora」のアコースティックバージョンが収録されている。これまた素晴らしい。ここから派生して紹介したAURORAというユニットが生まれている。