Rub-A-Dub Market『DIGIKAL ROCKERS』

とてつもない大傑作でしょう、これ! 気合入れて発売日に買うという行為自体、最近やってなかったが、そんな期待を遥かに上回るド直球の名作だった。彼らの12インチ(このアルバムM-4に入ってる)はよくDJするときに使っていたこともあり、ピコったダンスホールな内容はある程度予想してたんだけど、M-5のラガジャン青春サマーチューン「sunshine」がマジで凄い。PVも手の込んだつくりでおもしろい。
レゲエから派生したダンスミュージックをいろんな手法で味付けしてアルバムに落とし込んでいる。ペラペラなシンセ音の初期ダンスホールレゲエが、いろんな音楽の要素を包容して表現しようした手法をアップデートしたら、すげえアルバムになっちゃったという感じでしょうか。とくにヒップホップとレゲエの距離が今より密接だった頃〜ドラムンベースが出始めた頃までの空気感がきっちりパッケージされている。ジャマイカ発イギリス経由のレゲエを聞くとだいたいブリストル臭というか、暗さはどうしても避けられない部分だけど、このアルバムは徹底的に明るい。オトナの余裕を感じさせながらも青い部分は残しつつ、とにかくいまの僕にはフィットする。30代でダンスミュージックをずっと聞いてきた人には間違いなく響くはず。