FROM D - ダチョウ倶楽部


ダチョウ20周年を記念した本で過去のきついバラエティ仕事を
「激痛系」「危険動物系」など項目別に振り返る貴重な証言集。
自分が一番TVを観てた頃に大暴れしてた(いまもしてる)人たちだけに
「観た! 観た!」ってのも結構多い。「お笑いウルトラクイズ」とか。
全編を貫くプロ根性、分かりやすく言えば
「どんな危ないことやっても画面映りを常に考えてる」というのが
プロの姿勢だということがよくわかる。
寺門が「ロケは集団ヒステリー」と言っているんだけど、
これはきっと現場の感覚を的確に表現してるんだろうな。
その中で自分の身を守り(ケガをしたら放映されないから)、
いかに笑いを取るかという20年間のエピソードがてんこ盛りだ。

病院に行かないケガ! それが一番大事なんですよ。
あんまり血が出ちゃいけないの。でも、ケガをしたらおもしろいわけ。
病院に行かないケガっていう、紙一重のギリギリのとこ。
“笑えるケガ”と言ってもいいな。
それが神の降りた瞬間ってことなんですよ。

この寺門の発言はプロレスをはじめ、あらゆるエンターテインメントに通じる。
この本の随所で上島が「動物はお約束が分かってない」とぼやくんだけど
「危険動物系」の分類にアントニオ猪木と力也との絡むエピソードが入ってる。
お約束を踏み越えてくる上に凶暴ということで、ヘビやピラニアやサメなんかと
同じ扱いになってる。テレビ的に分類したら似たようなもんだよなと妙に納得。