病院へ行こう

血尿が出た。

一週間で3冊入稿というハードスケジュールのため、徹夜続きだったのも影響したのだろうか? 意識しないときもしまりの悪い蛇口のように血がしたたり落ちてくるので非常に気持ち悪い。股の間にも鈍い痛みがある。

一晩明けて病院へ。ネットで泌尿器科を調べ出して行くことに。路地裏のひっそりしたところにあるその病院、仮にC医院としましょうか、明らかに人目をはばかるような建て方をしている。ネットで調べたら泌尿器科だったのが、入り口の看板を見たら「性病科」と書いてある。そんな科があるの? とにかく、この蛇口を止めなければと性病でもない(身に覚えがない)のに周囲を見渡して、誰も見ていないことを確認してからC医院へ入る。シーンとした院内にぽつんとある受付には下品さがにじみ出たオヤジと暗い表情のナースが並んで座っている。葬式の受付みたいだ。で、いきなり「保険はきかないですが、よろしいですか?」いいわけねえだろ! 性病じゃないのに。こっちの事情を説明したが、どんな理由であれ保険はきかないとのことなのですぐに撤退。無免許医師か?

C医院の近くの表通りに、わりと大きめなY病院があることを思い出して、すぐそちらへ移動。総合病院だが、あいにく泌尿器科は別の曜日にしかやっていない。だが、受付で事情を話せばなんとかしてくれるだろうと思い、中に入る。受付にはかなり綺麗なお姉様が二人。少し照れながら「血尿が……」と話すと内科で見てくれるという。やった。

このY病院は某政党が運営しているらしく、あちこちに革命的なポスターなどが貼ってある。しかし、ナースのレベルが非常に高い。しばらく待って名前を呼ばれて中に入る。ドラム缶のようなベテランのババアナースが座っており、治療の前に症状を聞くのだという。いつ頃から? どんな血が出るの? などなど聞いてくるのだが、痛みを説明するときには参った。「股のあたりが痛くて」「どのへん?」「う〜ん……」と説明に困っていると、さすがだね。

「ペ●スですか? 睾●ですか?」

さすがババア。何の照れもなくズバリと聞いてくる(医療行為なんだから当たり前だけど)。おかげで「その後ろです」とハッキリ場所を言えた。惜しむらくは美人ナースでなかったことだが。

検尿をしたら大した出血ではなくてひと安心。先生に自分の普段の生活を説明したら、自転車の乗りすぎによる前立腺の炎症みたいです。「前傾姿勢の自転車には乗っちゃイカン」「ママチャリにしなさい」「競輪選手じゃないんだから一日20キロも乗るな」などなど。ここ数ヶ月間、よかれと思ってやってきたことを全否定されました。何事もやりすぎはよくない、ということですね。ほどほどにします。